5回目の今回は、格安で列車に乗ることができるルール、通称「大回り乗車」、大都市近郊区間の運賃計算について解説していきます。
前回
前回は山手線の運賃計算の特例を解説しました。
以下のリンクから前回の解説をご覧になれます。
今回のポイント
Point!
東京・仙台・新潟・大坂・福岡の近郊区間内のみを普通乗車券または回数乗車券で乗車する場合、乗車経路を重複したり、2度同じ駅を通らない限り(いわゆる「一筆書き」ルート)、運賃は実際の乗車経路にかかわらず、最短経路で計算する。
ただし、有効期間は1日で、途中下車はできない。
まず、東京・大阪・新潟・仙台・福岡の近郊区間を「大都市近郊区間」といいます。
その大都市近郊区間内では、一筆書きルートであれば実際の乗車距離に関わらず最短経路で計算します。
例
東京から池袋ゆきの運賃
東京‐池袋間の場合は山手線田端経由が最短で、営業キロは「12.3km」であり、山手線内の運賃(E表)が適用されて、200円となる。
例題で確認
例題
「両国(乗車)→錦糸町→千葉→蘇我→木更津→君津→館山→安房鴨川→大網→成東→佐倉→成田→安孫子→上野→御徒町(下車)」
この運賃を計算しなさい。ただし、上記の駅は乗り換えをした駅であるが、途中下車はしていない。
上のルートは実際に筆者が乗車したルートです。
上記の乗車区間はすべて「東京近郊区間」のエリア内であり、乗車経路が重複したり、同じ駅を2度通ったりしていないので、運賃は乗車駅(両国)と下車駅(御徒町)の最短距離で計算する。両国‐御徒町間の営業キロは「2.9km」であり、「電車特定区間の運賃表(D表)」に当てはめて、140円となります。
答 運賃140円
次回
次回はJR線で途中下車ができる条件を解説していきたいと思います。