丘珠空港活性化のために札幌市ができること

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 前回、「北海道の航空網のこれから」という記事で、丘珠空港に焦点を当てて記事を書かせてもらいました。そこで今回は札幌市にこれからやってほしいことを書いていきたいと思います。

 前回の「北海道の航空網のこれから」の記事はこちらから読むことができます。

札幌市がすべきこと

 札幌市がすべきことは、大きく分けて3つあります。1つ目は滑走路の延長を丘珠空港を管理している防衛省や国土交通省に要請するこです。
 2つ目は空港アクセスの改善です。
 3つ目は丘珠空港に通年で就航する唯一の定期航空会社である、「北海道エアシステム(HAC)」に適切な支援を行うことです。

 順番に説明していきます。

滑走路の延長

 丘珠空港の滑走路延長のカギを握るのは、札幌市です。そもそも、国土交通省などの組織は、「丘珠空港はプロペラ機による道内路線」「新千歳空港はジェット機による幅広い路線」という風に役割分担したいので、丘珠空港の滑走路延長には消極的な一面があります。

 また、地域住民が飛行機の離着陸による騒音を気にしていることもあり、議会でもなかなか話が進んでいないのが現状です。

 そこで、札幌市による粘り強い交渉が今後の活性化には大事になっていきます。例えば、「地域住民が納得いくまで粘り強く説得を続け、了承を取り付ける」ことや、「滑走路延長の要望として署名を集め、国に提出する」といったことです。特に、地域住民が支持してくれるように努力をして、円満な滑走路延長ができるように頑張ってほしいと思います。

空港アクセスの改善

札幌市電の画像
Wikipediaから引用

 丘珠空港はアクセスがいまいちなところがネックとなっています。地下鉄栄町駅から徒歩15分、200円の空港連絡バスで5分というアクセスになっています。

 札幌市はモノレールやロープウェイでのアクセスを検討していますが、費用や日本での導入実績がないなど、導入への課題が残っていますし、札幌市は積極的に導入しようという姿勢はありません。
 しかし、空港アクセスを改善せねば空港の利用も伸びません。そこで個人的にすすめたいのは、前回の記事にも書いた、栄町駅から空港を経由し、丘珠空港、モエレ沼公園につながる、観光、通勤、通学などの幅広い分野で活用できる市電を敷設することです。
 費用の計算が札幌市の報告書には載っていなかったので、2015年に札幌市が市電をループ化した際の費用をもとに試算してみました。5年前の金額を利用しているため、現在では少し金額に誤差があることをご了承ください。

 まず、2015年に市電を延伸した際は、400mで29億5千万円という金額でした。これをもとに1㎞当たりの金額を試算したところ、73億7500万円という結果になりました。これは、都市モノレールを設置する場合の90億円/1㎞よりも16億2500万円安い金額となっています。
 都市型ロープウェイを設置する場合の50億円~60億円/㎞より市電の設置は13億7500万円~23億7500万円高い計算になりますが、日本での導入実績のない都市型ロープウェイはまだまだ未知の領域であり、建設費もこの試算通りいくのかは完全に読むことはできません。また、空港のアクセスに使うには輸送力不足です。

 また、「搭乗する飛行機のチケットを提示することで、栄町駅から丘珠空港までの乗車運賃を無料にする」などの対策を取ることで、市電と空港の両方の利用を促進することができます。ただ、市電の収益が悪化することは覚悟しなければいけませんが・・・。

HACへの支援

HACの

 報告書の中に、北海道エアシステム(HAC)の所有する3機のプロペラ機だけでは大幅な増発等を見込むことができないと書いてありました。そこで必要になってくるのが、機材の導入費用の一部助成などです。

 HACはJALが株式51%保有している子会社なので、支援はなかなか難しいかもしれません。しかし、同じJALグループの航空会社である、日本エアコミューター(JAC)では、兵庫県が予算を計上し、但馬空港が保有する機材としてJACに貸与している例があるなど、支援をする方法はあります。

 滑走路が延長された際は、ぜひとも地元の航空会社にジェット機を使っての就航をしてもらいたいです。しかし、HACは現在、地域航空会社で潤沢な資金があるとは言いにくい状況だと思います。そのため、そうなった時には札幌市が三菱スペースジェットやエンブラエルなど丘珠空港の状況に適応した機体の購入補助をして欲しいと思います。