札幌市交通事業公社職員の不正について

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 2020年5月20日付の札幌市からの報道各社への報道発表資料によると、一般社団法人札幌市交通事業公社職員(以下、公社職員)が札幌市営地下鉄や札幌市内のバスなど利用することができた、磁気乗車券「ウィズユーカード」を不正取得し、現金化していた事実が発覚したとのことだ。

事件の詳細

事件の詳細はこうです。公社職員で駅管理部に所属する、51歳の男性主任(助役)が交通局の嘱託職員として勤務していた、1996年ころから1999年までの約3年間、勤務する駅の券売機を不正に操作し、カードを取得したほか、廃棄するカードを投函する箱に入れられた残高が残ったカードを、遺失物として処理せずに、着服をしていたとのことです。
 

 また、公社で勤務を開始した2000年からカードの払い戻しが可能となった、2015年3月末までは不正に取得したカードを通勤などに利用したそうです。
 さらに、カードの払い戻しが可能となった2015年4月からは、勤務中に第三者の名前を用いて受領証の署名を行い、不正に取得したカードを現金化したとのことです。

 不正に取得されたカードのうち、払い戻しが行われたのは計131枚であり、金額にすると、20万4260円に上るそうです。(2020年5月20日現在)
 そのほかの金額は現在警察と連携して捜査を進めており、確認が取れ次第本人に請求する予定だそうです。

発覚の経緯

 事件が発覚した経緯を説明していなかったので、説明します。事件は2020年3月29日に上記の職員が、地下鉄南北線「すすきの駅」において、私物のウィズユーカード28枚の払い戻しを行ったことに加え、第三者の氏名を用いて受領証に署名をしていたことから、他の駅員が公社に報告したことによって、公社が51歳の助役に確認を行った結果判明したそうです。

今後の見通し

 該当の公社職員の処分はすべての捜査終了後に行われる模様です。また、公社が厚別警察署への被害届の提出及び、該当職員の刑事告訴も検討している様です。

 そして、再発防止策として駅業務にかかわる職員への個人面談をし、今回の事案の周知徹底をし、新たにコンプライアンス推進月間を設けるとともに、研修内容を精査することで再発防止を徹底。また、コンプライアンス意識の向上も目指していくそうです。

まとめ

 今回、内部職員の不正が起きたことで、今後のコンプライアンス徹底に繋がっていけばいいと思います。また、これを機に他社もこのような案件が起きないように他人事と思わず、注意を徹底してほしいと思います。