旧士幌線といえばあの今にも崩れそうなタウシュベツ橋脚が有名ですが、実はそれ以外にもマニアックな橋梁が存在します。今回は車で簡単に回ることのできる旧士幌線の橋梁を紹介します。
旧士幌線とタウシュベツ橋梁
タウシュベツ橋梁は北海道上士幌町の糠平湖にあるコンクリートでできた橋のことです。
この橋は国鉄の士幌線が1938年に十勝三股まで開通するときに音更川の支流であるタウシュベツ川を渡るために作られた橋です。
しかし、後の1955年に水力発電のために糠平ダムを人工的に建設され、橋が湖底に沈むことになり、士幌線は湖を避けるような新線に切り替えられました。
糠平湖は発電を目的とした人造湖であるので、「放流」「貯水」などで水位が劇的に変動します。
そのためタウシュベツ橋梁も水没してしまう時期や完全に見渡せる時期など、季節によって様々な光景を楽しむことができます。
また水位変化が原因で橋の損傷が拡大し、現在では橋の崩壊は「時間の問題」とされているので、早めに一度は目にしたいところ。
タウシュベツ橋梁は訪れる時期によって糠平湖の水量が変化しています。
それぞれの時期に見えるタウシュベツ橋梁の様子を以下の表にまとめましたので合わせて確認してください。
3月ー5月 | 橋梁全体が見える(水位ゼロ) |
5月ー6月 | 橋梁の下半分が水没。反射で「めがね橋」に見えるかも |
6月ー9月 | 7~9割が水没。 |
9月ー12月 | 大雨が降ると完全に水没することもある。 |
12月ー3月 | 氷結する。発電時に放水すると橋が氷を突き破って出現。水位は単調減少。 |
また糠平湖の周辺にはタウシュベツ橋梁のほかにもさまざまは旧士幌線の鉄橋をみることができます。
観光協会やNPOのサイトにも詳しい解説と場所が記載されているので、ぜひそちらも参考にしてほしいのですが、今回は筆者が旧士幌線の廃線跡巡りをした際に「感じたこと」や「わかりにくいなと思ったこと」「注意した方がよいこと」などを実際の写真を用いて紹介したいと思います。
第三音更川橋梁
第三音更川橋梁は現存する北海道内の鉄道用コンクリートアーチ橋としては最古で、32メートルもの径間は最も大きいものです。
設計の計算や施行状況を克明に記した資料も多く残されており、学術的にも評価されています。
上の写真この第三音更川橋梁の北側に並行する道路から撮影したものですが、さらに下に橋に近づくこともできます。
並行する道路の橋端に上の写真のような場所があります。
このように獣道のような細い道があるので、ここを下っていきます。
ここで注意して欲しいポイントがあります。
それは、実に滑落しやすいという点です。
道はとても急で足がすくんでしまうほどです。また地面が濡れているとさらに滑りやすいので注意してください。
(周りにつかまるものはロープ以外ありませんし、ロープも途中で途切れています。)
カメラのなどを持っている場合は特に注意を!
頑張って下に降りると、このような写真も撮ることができます。
木々の間に橋があり、夕暮れ時に撮影すると面白い写真が撮れるかもしれませんね。
第四音更川橋梁
第四音更川橋梁は左と右に橋が残っているという独特な形で現存しています。
これは橋の中心部を撤去してしまったことに起因するのですが、良い味わいを醸し出いしていますよね。
モノクロにしたりして、黒と白のバランスをとると「めがね」が強調されて面白いかもしれません。
個人的には加工するのは後ろめたさがあるのですが、さすがPhotoshop。
駐車場を挟んで反対側にあります。
この坂を上り下りしないといけないので、注意してくださいね。
何回も繰り返しますが、とても滑ります。