JR北海道261系の新型グリーン車261系7次車のグリーン車は既存のグリーン車と比べてどのような点が異なっているのでしょうか。
今回は他種のグリーン車との比較も行いながら新型グリーン車のレビューを行っていきたいと思います。
その前に、
まず、特急北斗号は現在2つのタイプの車両で運行されているのはご存知でしょうか。
まずは、281系、昔からの古参車両です。この車両は振り子装置を持っており、車体を傾斜させることで、カーブを高速で走行することができるのが特徴となっています。
またグリーン車は3号車に編成されています。この点は後に紹介するもう一タイプとの違いでもあります。
次に、261系です。
この261系の中にも様々なタイプがあります。(それらは番台と呼ばれて厳密に区別されています。)それぞれ微妙な違いがあるのですが、異なる番台も適当に編成されてしまうため、次の車両に移動したら照明の感じが何となく違うとか、なんか古っぽいとか、逆に眩しいくらいに新しいということが生じます。
こんな261系ですが、実は振り子を持っていません。
JR北海道が車両制作費用と、メンテナンス費用を頑張ってケチったため、振り子装置の廉価版である車体傾斜装置さえ搭載されていません。そのため乗り物酔いをする方にとっては体にやさしい仕様となっていますが、一方で所要時間が延びてしまったため、身体に新たな負担をかけるという車両でもあります。
261系7次車のグリーン車がベスト
本題に入りたいと思います。
まず、私がおすすめするグリーン車は261系です。その理由としては全席にPC用電源があることです。
豪華さや気品を感じさせてくれた281系と比べると、外観や内装などのハード面の簡素化(コストカット)が大変目立ってしまうという作りで、乗っている方も惨めな気持ちになりますが、スマホやPCなどを移動中に充電することができるのは代えがたいところ。
でも、わたしが本当にお勧めするグリーン車はこの中のごく一部の車両なんです。その名も261系1000番台(7次車)。
この車両のグリーン座席は平成30年以降に製造されたものですが、これがすごいんです。
まず、シートはモケット調のものとなっており、かつての281系と同じ質感を味わうことができます。色は当時とは違いますが、体全体を優しく包み込んでくれるモケットシートは、長旅を快適にするためには必須の装備。
寒さの厳しい試される大地では、牛革・シートヒーターなしの261系タイプのシートは座ると身も心も冷え切ってしまうことがあったのですが、布なので座った瞬間ひんやりするという、あの瞬間を心配する必要はありません。
7次車以前では以下の写真のような牛革と木を組み合わせた座席となっておりました。(261系)
このシートも座り心地はよいのですが、しっかりとした座席は例えるならかためのソファーみたいな感じとなっており、3時間半の長丁場では腰などが痛くなる場合もありました。
しかし、今回の7次車では先代の281系が使用していたモケットタイプのシートとなり、座席の固さが改善しました。
タオルケットにくるまれるような温かさと、適度な硬さからくるホールド感が大変心地の良いものとなっております。
足元はこのようま感じとなっております。
この足置きの仕様も先代281系と同じですね。
261系は靴を脱いだ時に足を置く面に牛革が使用されており、足を置くと冷たいという悲しいことも多々あったため、好印象です。
前面のテーブル裏には席の説明が記載されています。
やっぱり継承。ちょっと残念なドリンクホルダー
そして261系7次車のグリーン車は先代の281系のグリーン車の多くの点を継承しており、このドリンクホルダーの仕様も残念ながら継承となっておりました。
このドリンクホルダー、通常は下の画像のように収納されており、
必要に応じて、上部に引き上げ組み立てて使用するのですが
上の画像にも少し注意書きがあるように「使用時は必ず押し下げて使用」しなければならないのです。
押し下げ方が弱かったりするとドリンクが傾いてきてしまうことにつながり、車内での思わぬ事故につながってしまいます。
実際筆者も先代281系のドリンクホルダーで、ふと座席から立ち上がろうとした際にコートが引っかかってしまい、おいていたお茶をこぼしてしまいました。
この点では261系の通常のグリーン車のほうが良いのかもしれません。
最後に
281系のグリーン車を参考にした261系7次車のグリーン車は、通常の261系のものと比べて快適性が向上したつくりとなっていました。
JR北海道は編成を適当に組み合わせて運行を行うので、どの列車にどの編成が運用されるのかは基本的にはわかりませんが、もしも乗る機会があったら261系と比べてみるのも面白いのではないでしょうか。