JR北海道が短距離グリーン車を併設するべきな理由

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昨今、既存のものに少し贅沢をしてその付加価値を楽しむ「プチ贅沢」が巷では流行しているようだが、JR各社でもその流れを受けてJR東日本では中央線などの普通車にグリーン車を、JR四国では岡山ー高松間を結ぶアクセス線であるマリンライナーにグリーン車が併設されている。

しかし、アップグレード座席などがあり、コストパフォーマンスに優れた列車を多く運行しているJR北海道には短距離グリーンが併設されていない。

そこでJR北海道以外のJR各社での事例を踏まえながら、JR北海道がグリーン車を短距離路線で併設すべき理由を紹介してゆく。

規格外の乗車時間の長さ

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まず初めに、JR北海道が短距離グリーン車を併設すべき理由の1つ目として乗車時間が長いことを上げたい。

例を挙げると、北海道の玄関口である新千歳空港とJR札幌駅までを結ぶ快速エアポートの乗車時間は、乗車する列車によって所要時間は変化するものの凡そ40分である。

これはJR北海道が度重なる事故による最高速度を120キロに引き下げたことも影響しているのであるが、札幌中心部と空港までのアクセス路線の所要時間が40分であるのは他の地域では考えられないのではないか。

互い、中心部からアクセスに時間がかかる空港というのは「格安志向」であったり、「海外志向」であったりするのであるが、新千歳空港はそのどちらとも言えない。

また、札幌市内にある丘珠空港は、札幌市の都市開発の下手さが如実に現れる結果となっており、アクセスが悪いだけではなく、滑走路が短すぎるためにジェット機の発着すらできない。

以上のことを考えると、新千歳空港は今後とも道内の玄関口であり続ける可能性は極めて高く、また、新千歳空港駅のターミナル化などを考えると千歳線の混雑も緩和される気配は認められず、今後とも「40分」をいかに有意義な時間とするかがビジネスマンや観光客などの課題となることは明らかであろう。

ビジネスマンには、社内wi-fiとデスク、コンセントなどを完備した社内でメールや資料のチェックが可能な短距離グリーンにはある程度需要があると思う。

北海道らしい車窓

JR北海道がグリーン車を併設すべき理由の2つ目としては車窓が素晴らしいことを挙げる。

例えば、上記の例で取り上げた千歳線であるが、札幌を発車してからは住宅街や郊外を抜けていくが、上野幌駅から急に車窓が変化し始め、恵庭・千歳駅周辺では実に広大な土地と北海道らしい景色を見ることができる。

ハイデッカーグリーン車で、高い位置から大きな窓を通してみる北海道の景色は格別ものであるが、この体験を近郊区間でプラス数百円という価格で提供することは観光の観点から有意義ではないのか。

JR四国での例

ではJR他社の例を少し見てみよう。

特に紹介したいのはJR四国とJR西日本が共同で運行する「快速マリンライナー」である。

この列車に併設されているグリーン車はハイデッカー構造であり、下層階は「指定席」、上層階は「グリーン車」となっていた。

このすみわけは「uシート・指定席」を持つJR北海道にも応用することができるのではないだろうか。