ブラジル
ブラジルの正式名称はブラジル連邦共和国、面積は南米大陸の1/2で、人口は露、加、米、中、伯(ブラジル)の世界で5番目の2億人を有し、26州からなる連邦国です。
宗教はキリスト教カトリック、言語はポルトガル語が話されており、どちらも旧宗主国(支配を行っていた国)のポルトガルの影響を受けています。(ブラジルだけポルトガル、それ以外はスペイン、ギアナだけフランス領)
ブラジルはもともとはプランテーションで単一商品作物を大規模に育てていました。このプランテーション農園のことをブラジルではファゼンダといいます。しかし近年は多角経営に移行しモノカルチャー経済からの脱却を目標としています。
また近年では大豆の生産が急増しています。これは中国の依頼に基づくもので、さらに森林伐採がすすんでいます。
また天然ゴムと聞くとマレー半島のイメージがありますが、この天然ゴムはもともとブラジルに自生していたものなんです。
それをイギリス人が無断で持ち出し、さらにマレーシアに大量に植え付けてプランテーションをしました。アジアやアフリカではプランテーション農園はエステートといいます。
その後マレーシアでは天然ゴムの木の老木化や合成ゴムの需要増で生産量は激減。現在は油やしに移行中なのも重要事項です。
またブラジルといえば忘れられないのが「コーヒー」ですよね。
主な生産地はブラジル高原の南部(サンパウロなど)です。これには理由があってブラジル高原にはテラローシャという玄武岩が風化してできた土壌があり、これがコーヒー栽培に適しているからです。(このように一部にしかない土壌のことを「間帯土壌」といいます。
4~6年契約の請負労働者であるコロノにより大発展をとげ、季節的賃金労働者(カマラーダ)によって収穫されます。そしてカマラーダに払われる賃金が生活していくのに十分でないので現在は「フェアトレード」を推進する動きが強まっています。
収穫されたコーヒー豆はサンパウロの外港であるサントスから出荷されます。
コーヒーの名前は収穫された場所や港の名前が基本的につくので「サントスコーヒー」や「ブラジルサントス」としてコーヒー屋さんで売られています。
ブラジルは農業だけでなく、工業にも力を入れています。(首都のブラジリアの町の形が飛行機ですからね、)
(ブラジルの飛行機といえばエンブラエルですね)
先ほどイタビラ鉄山の話をしましたが、近年は世界的に「採掘された鉄鉱石」を「現地で製鉄」してから輸出します。これは「人件費」「輸送費」「(製鉄所などの)建設費・土地代」が安いという理由です。
特に鉄鉱石には不純物が多いのでこのまま輸送をすると不純物まで運んでしまうので効率が悪い=高コストですよね。このように原材料の近くに工場が立つ立地の形を「原料立地型(指向型)」なんてかっこつけて呼んだりしますが、ようはコストの問題。
原料立地型の代表例としては石灰(セメント)や各種金属、パルプ(カナダのシトカが超有名)です。反対に原材料の輸入に便利なように海の近くに建設したり、大消費地に近い場所にに建設する形のことをそれぞれ「臨海立地型」「市場志向型」ともいい、現在はこちらのほうが多いですよ。ビールなどは市場志向型の代表例。
そのためイタビラ鉄山の近くのイパチンガに日本とブラジルが共同出資した合弁のウジミナス製鉄所があり、作られた鉄鋼をビトリアから出荷してます。日本に輸入される鉄鋼はほとんどビトリアからきてます(オーストラリアもある)
またイタイプダムをパラグアイとの国境線沿いに建設し、大規模水力発電がおこなわれています。
ちなみに世界最大のダムは中国の三峡ダムです。まあ中国なのでいろいろ面白いことがありますよ。(住民の強制立ち退き、旧市街地(文化財多数)の半分が水没、水質汚染、地滑り・崖くずえれ、大きすぎて水の圧力に耐えられなくなり決壊になりかける、水の重さで地震が頻発するようになったとも。)
アルゼンチン
アルゼンチンは86%をスペイン系の白人が占める国です。もちろん旧宗主国はスペインです。
アルゼンチンといえばなにが思い浮かびますか?
有名なのは「マラドーナ」や「マラドーナ」さらに「マラドーナ」ですが、実はアルゼンチンは「牛」の国なんです。
ちなみにスペインでは昔に闘牛を市民の娯楽として楽しまれていましたが、その影響でしょうか。
アルゼンチンとウルグアイの近くに川幅40キロのラプラタ川というもはや川ではない川があり、その支流がパラナ川なのですが、その周辺を構造平野のパンパといいます。
さらにパンパは年降水量550mmを一つの区切りとして「湿潤パンパ」と「乾燥パンパ」に分けることができます。
「湿潤パンパ」では牛肉などの世界的に農業がさかんな地域です。とくに500㎜~750㎜くらいの地域で小麦商品作物として大量に栽培されています。(企業的穀物地帯という。)またアルゼンチンのプランテーション農園のことをエスタンシアといいます。
(エスタンシア=アルゼンチン=スペイン=カトリック教=フィリピン=アジア=エステート)と無理やりつなげて覚えました。
もちろん働く人は出稼ぎ労働者で戦前のイタリアから来た彼らのことをゴロンドリナといいます。現在は減少傾向。
これはアメリカと同じ構図なので覚えておきましょう。
一方「乾燥パンパ」(年降水量550㎜以下)では企業的牧畜がおこなわれています。
ケッペンの気候区分では年降水量500mmから乾燥帯(B気候帯)に属し、250~500㎜の間に属する気候をステップ気候(BS気候帯)というので、小麦なんて栽培できないんですよ。
さらにもっと条件の悪いところが「パタゴニア」でここは「寒いし、乾燥している」超条件の悪い土地です。そこで条件の悪いとこでもすくすく育つ羊などが放牧されています。
エクアドル
エクアドルといえば「バナナ」と「赤道」です。赤道がエクアドル(首都キト)を通ることは有名ですね。
(「エクアドル」はスペイン語で「赤道」という意味で、ダーウィンの進化論で知られるガラパゴス諸島でも有名です。ちなみに「ガラパゴス」は「カメ」という意味です。)
さらに余談ですが、「赤道」を英語でいうとequatorです。似てますよね。はい。
またエクアドルで生産されるバナナのほとんどは日本向けに製造されているんですよ。
チリ
チリは南米大陸の左側にある細長い国です。国土が細長いため国の中での温度差が激しいので非等温線国家ともいいます。また当然さまざあな気候が存在し、海流の影響を大きく受け大陸西岸に多い西岸海洋性気候(Cfb)や夏の降水量が少ない地中海性気候(Cs)帯があります。
ワインの原料であるブドウはCs気候やCfb気候帯でのみ栽培ができ、コルク栓を作るコルクはCsでのみ生育するので、チリ産ワインが有名なのも納得ですね。
*ちなみにワインの生産量一位は中国です。中国産のワイン!?となりますが、加工用とかになるんでしょうね。
またチリは銅鉱山が多く分布しており、チュキカマタやエルテニエンテが有名。 1968年のチリ,ザンビア,コンゴ民主共和国,ペルー4ヵ国におけるCIPEC(シペツク)(Conseil Intergouvernemental des Pays Exportateurs de Cuivreの略)を結成しています。
OPECやOAPECのようなもので、「資源ナショナリズム」という考え方を受けて設立された団体です。
またチリの先住民族はアンデス山脈の厳しい雨風から逃れるためにポンチョを着ていました。ポンチョ発祥の地はチリですよ!
ペルー
ペルーも上記のCIPECの加盟国で銅のほかにも鉛もとれます。アンチョビーをとって、フィッシュミールに加工後、首都リマの外港であるカヤオから輸出されます。
またペルーとボリビアの間では石油をとることもできるので石油の輸出もおこなっています。
余談ですが、ペルーと聞くとsimon&garfuncleのel condor pasa(コンドルは飛んでいく)が有名かな。
ボリビア
ボリビアの首都ラパスは標高3200m~4100mの間にあり、坂の町とよばれています。(小樽や函館なんか…)
またポトシでは銀山があり、16~17世紀までは南北アメリカ最大の都市でした。
また国民の大部分がメスチソなのも注目。
さらに観光地としても有名で「チチカカ湖」や「ウユニ塩湖」、さらには悪魔の踊りとしてしられている「ディアブラーダ」などの伝統行事が受け継がれているのも見どころです。
コロンビア
コロンビアの首都は高山都市の代表例(H気候帯)
またコロンビアといえば一にも二にも「コーヒー豆」です。
ベネズエラ
ベネズエラ(首都、カラカス)は石油と鉄が有名です。
ベネズエラのマラカイボ油田はオランダ領のアルバ島とキュラソー島から輸出されます。つまりあの有名な石油メジャーのロイヤルダッチシェルってことです。
また野球が強いということぐらいですか。
ウルグアイとパラグアイ
ウルグアイとパラグアイは位置関係が間違えやすいので要チェック。
ラプラタ川の主流パラナ川の源流に近いほう=パラグアイと覚えるといいかもしれません。
またパラグアイは混血(メスチソ)の割合が大きいです。一方、ウルグアイは87%が白人でこの違いがよく試験にでます。